Q1.0住宅を日本のスタンダードに。全棟Q1.0住宅をめざして
年間暖冷房費を半分以下にするQ1.0住宅
Q1.0住宅とは、燃費半分で暮らす家、それでいて、 冬は全室暖房、夏は全館冷房が楽々可能な住まいです。
これまでの一般住宅
壁の中を冷たい気流が流れ、断熱材が効かず、気密性の悪いこれまでの住宅は、暖房もあまり効きませんでした。暖房費を節約しながら寒さをしのぐため、こたつで暖まる家も多かったと思います。
省エネ基準住宅
断熱材も効くようになり気密性も高くなりましたが、断熱材の厚さが不十分で、窓の性能も低い基準のため、家全体を暖める快適な暮らしをしようとすると、これまでの家の暖房費より大幅に増えてしまいます。
Q1.0住宅
断熱材の厚さを十分に、窓の性能も高め、南の窓をできるだけ大きくとり、熱交換換気設備の採用で暖房費は大きく減り、これまでの半分以下で済むようになります。冷房費も窓の日射遮蔽を見直すことで大きく削減します。
Q1.0住宅では、Ua値ではなく暖房エネルギーで4つのレベルを決めています。
Ua値の小さな住宅が、必ずしも省エネ住宅ではない
Ua値とは、床壁天井と窓の部位面積を掛けて、加重平均を求めた平均熱貫流率です。従って、凹凸の大きな設計の建物で外表面積の大きな建物でも、断熱材の厚さが変わらなければUa値は同じになりますが、暖房エネルギーには大きな違いが生じます。また、換気の熱損失を含みませんから、20~30%も暖房エネルギーを削減する熱交換換気設備を使っても、やはりUa値は同じです。さらに、窓にトリプルガラスを使うとUa値は小さくなりますが、ガラスが1枚増えて15%ほど日射侵入率が低下し、温暖地ではあまり暖房エネルギーが変わらないという事も起きています。このように住宅の省エネルギー性能を評価する指標としては不適切な数値なのです。
暖房エネルギーの計算結果で住宅の省エネ性能を判断する
私たちは、最初から暖房エネルギー計算プログラムQPEXを使って、暖房エネルギーそのものを指標として住宅の省エネルギーレベルを定めてきました。当初、北海道で暖房エネルギーを半分にする住宅の熱損失係数Qが1.0程度で、本州でも2.0以下だったことから「Q1.0住宅」という名前が使われはじめました。 Q1.0住宅には、気候区分に応じてそれぞれ4つのレベルを定めています。それが下表のようになります。
室温20℃の全室暖房で、120㎡モデルプラン住宅において、省エネ基準住宅の暖房エネルギーを計算し、それに比べて対象住宅のQPEX計算値が、表のパーセンテージ以下であることでレベルを決めている。
最低でも全棟Q1.0住宅レベル‐1での建設を
新住協会員には最低でもQ1.0住宅レベル1で全棟建設を目指し、その上100年住宅を考え、できればQ1.0住宅レベル3を実現しようと呼びかけています。これが私たちの目標です。
120㎡モデルプランのQPEXによる計算結果
下のグラフはQPEXによる温冷房費の計算結果です。実際の住宅も、QPEXの計算結果とほぼ同等の結果が得られています。
省エネ基準住宅の夏の日射遮蔽は、東西南の窓にレースのカーテンを設置。Q1.0住宅は、東西南の窓に外ブラインドを設置する想定。
当ページは、新住協サイト及び発行物の転載です。
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