1−2:内部結露が起こった原因を解説し、通気層の必要性を解説 2
気流止めを施工した壁内に、通気層側から侵入する水蒸気は、室内からの侵入の場合と同じく、極めて微量である。
しかし、夏の強い日差しで外装材、合板、壁の木材が急激な湿度上昇に伴って水分を放散する時に、室内でクーラーを使用して湿度を低くすると、室内側のポリエチレンシートのところで結露を生じることがある。
これを夏型結露又は逆転結露と呼ぶ。
外側の湿気としては高温多湿な外気から透湿して侵入するものもあるが、むしろ量的には外壁の南~西面に当たる日射で合板やサイディングが熱せられて放出する水蒸気が多い割合を占める。
この場合も通気層は安全側に働き、外壁材から放散する水蒸気はほとんど外へ逃がしてくれる。
室温が25~26℃より低くすると、壁内部の木材からの水蒸気で結露は顕著になり、蓄積量が多くなる。
しかしこれらの水は、結露を生じる時間長時間連続しないため、蒸発して通気層から排出され、木材腐朽等の被害を生じた例は殆どないのが実態である。
しかし、より安全な工法を目指すならば、上図のようにポリエチレンシートの代わりに調湿シートを使う方法が考えられる。
室内側のポリエチレン防湿層の透湿抵抗を小さくすることによって。
結露は完全に防げることが実験で確かめられている。
このシートは「ザバーン」という商品で既に市販されている。
(㈱デュホポン、㈱マグ)この材料は透湿抵抗20~30の間で、夏は透湿抵抗が下がり、冬は上がるという極めて都合の良い性能を持っている。