1−2:内部結露が起こった原因を解説し、通気層の必要性を解説 2

3:通気層がある外壁(新在来木造工法)

1:シート気密工法

耳付きグラスウールは本来、室内側に施工されるべきであるが、外部に施工された場合は室内側の気流により断熱効果は少ない。
外壁下部では結露を生じる。

2:ボード気密工法(大壁)

耳付きグラスウールを室内側に施工された場合は、気流止めがなくともある程度断熱効果は期待できる。
外壁の結露も殆ど生じないものと考えられる。
(壁内外壁の気流が通気層の役割を果たしている)

3:ボード気密工法(真壁)

この場合もっとも結露が大量に発生する。
厚い断熱材を施工した結果、木材腐朽に繋がった。

4:ボード気密工法における通気層の働き

在来木造の一般的な建て方では壁内と床下及び天井裏とが連結しているため冷気竜が生じ、それが室内の暖かい湿った空気を壁内に吸い込む。
よって、床下及び室内から大量の水蒸気が壁内に侵入する。
これで対処するには、通気層内を外気が流れて大量な水蒸気を排出する必要がある。

新在来シート気密、ボード気密工法では気流止めが設置され、壁内気流は生じない。
壁内への水蒸気の侵入は壁材・コンセント部等の透湿する分のみで、左記に比べ桁違いに小さい。

通気層は、そのわずかな壁内水蒸気が壁外側のボード材料から透湿して外部へ拡散によって逃がすスペースという位置づけになる。

・通気層は数㎜の厚さでも良い
・通気層は外気が流れる必要は必ずしもない
・外壁材の透湿も働いてくる
・防水のための通気層の透湿は確保される必要がある