1−7:外張り断熱工法の問題点2

問題点②火災時の外張り断熱材について

火災時の問題には次の2パターンがある。

(イ)自家の出火による場合
(ロ)隣家の火災による場合

外張り断熱工法に用いられる断熱材の多くは発泡プラスチック系断熱材である。
これらには難燃化処理が施されているが、燃焼実験によると、はじめが燃えにくい性能を示しているように思えるが、いくらか時間が経つと結局炎を上げて燃えだしてしまう。

炎は柱、間柱間を吹き抜け、すぐに住宅全体にまわってしまうので大変危険である。

また、断熱材は燃えた場合もしくは輻射熱によって溶解し、低い部分へ流れ出るので隣家の火災による輻射熱や火の侵入なども危険である。

対策としては、炎が柱、間柱間を吹き抜けることでの延焼や、煙、燃料ガスの充満を少しでも防ぐため、ファイアーストップとして石膏ボードなどの内装材を横架材までのばした場合や、乾燥木材45×105を柱間で外壁と天井下地との間に設ける。
また、じか出火による炎の断熱材への引火を防いだり、気密を安定させるために、外壁外側には構造用合板などのボードを貼る。

さらに、断熱材の溶解による低いところへの流出を防ぐため、床根太間に18×90程度の木材を設ける。
隣家の火災による日の通気層からの侵入に関しては、シロアリ忌避材含入グラスウールを通気層下端部入り口につめておくと、シロアリ帽子も兼ねて効果的である。