1−7:外張り断熱工法の問題点4
問題点4外装材の固定力について
外装材を通気胴縁に釘で打ち付け固定させた場合、通気胴縁の厚さが15~18㎜の場合、それが未乾燥材(荒木)だと外壁を押さえることができない。
胴縁が乾燥材で、プレーナー掛けして18㎜の場合は強度がある。
釘の種類
・ステンレスのラセン釘
・逆目釘
・リングネイル
対策
1:胴縁を太くする
2:ビス止めにする
釘の外装材留め付け位置不良によるクラックについて
下の写真は、鍵の留め付けに関してメーカー仕様(専用釘、下地組み、先孔施工、金属下地不適等)の不履行や、外壁材端部から釘留め位置が短い等の原因により、外装材材端にクラックが生じた際の写真である。
各メーカーの仕様に基づかない施工を行うと会惣菜の剥離事故などにつながる危険があるため、各外装材メーカーの標準施工仕様を必ず遵守する。
また、釘の留め付け一の実測、下地が標準仕様通りか必ず確認すべきである。
通気胴縁の材圧と釘保持力について
外装材の留め付けには特に風圧力を考慮する必要がある、釘止めの場合、主に外装材を固定する釘と胴縁の保持力が重要になる。
日本窯業外装協会(NYG)の資料により、下地材と釘の設計保持力を表1に示した。
胴縁の下地となる主要な部分(構造)の構成として、軸組みの場合と面材がある場合、さらに面材に釘の保持力が期待できるのか否かの検討を行い、必要な釘保持力を全て通気胴縁に負わせるか、その下地などにも負担させるのか判断し、同園の種類ごとに設計していく必要がある。
下の表1は、下地材(通気胴縁)の厚さ、釘(ねじ)径による釘保持力の違いを表している。
表は、各下地材と釘保持力の平均値から標準偏差の2倍をひいて、なおかつ安全率を考慮したものである。
(安全率は、H12年建築省告示第1654号の「極めてまれに発生する暴風による力」を採用し1.6とした)表1のグラフより、下地材(通気胴縁)が厚く釘径が大きいほど、設計保持力は大きな値を示し固定力が増していることが分かる。