1−7:外張り断熱工法の問題点と対策
外張り断熱工法の問題点1
問題点1
現状の外張り断熱工法では、暖房エネルギーが大幅に増えてしまう。
外張り断熱工法において、次世代省エネルギー基準の熱抵抗基準値をクリアするための必要な断熱材の厚さを下の表に示す。
現状でのハウスメーカーや工務店などが施工している標準的な外張り断熱工法では、断熱仕様が外壁50㎜+屋根50㎜となっており、屋根においては上記の基準を満たしていない。
しかしながら、熱損失計算では熱損失係数Q値をかろうじてクリアしている場合が多い。
(基準値 Ⅲ地域~2.4W/㎡K Ⅳ地域~2.7W/㎡K)
次世代基準をクリアすることができる理由としては以下の点が挙げられる。
1:熱交換換気システムを導入することで簡単にクリアすることが出来る。
2:窓の基準があまりにも低いため、窓の断熱性能を上げるとクリアできる。
3:住宅がシンプルで、総2階的な住宅が増えている。
ここで、次世代基準の熱損失係数Q値をちょうどクリアするように断熱仕様された右図のようなモデルプランを考え、その灯油消費量を計算すると下表のようになる。
次世代基準を満たす住宅の灯油消費量 モデルプラン150㎡ 天井+基礎断熱 |
莫大な灯油消費量がかかる |
次世代基準が低すぎる。 (薄い断熱で基準を満たすことができる) |
次世代基準が低すぎる。 (薄い断熱で基準を満たすことができる) |
現状のように、Q値において次世代基準ぎりぎりの仕様では、住宅の快適化・全室暖房化により、暖房エネルギーが極度に増大してしまう。 将来的には、更に厳しい金基準が設けられることが望まれる。 |
対策 暖房エネルギーを増やさないために、 1:窓の性能を高める 2:屋根50㎜+α の工法を一般化する |